2014年4月8日火曜日

糖質制限食

 「エコの環」づくりに取り組み始めてから、野菜の味見をする機会が増えました。そのせいか昨年当たりからハッキリ変わったと感じるのが、ウンコ(失礼)の質です。それまでの軟便かコロコロタイプから薄茶色のバナナタイプに変わり、紙が要らなくなったのです。また、オナラ(これまた失礼)がほとんど臭わなくなったのです。そして毎年いま頃は目が充血し、くしゃみが激しく、話しをするときに咳が出て困っていたのが、昨年当たりからそうした症状がすっかり消えてしまったのです。そんな体験もあって、いま当地で進めている「みやづ環の地域づくり」では、「エコの環」を中心に野菜の地産地消に取り組むことにしたのですが、どうせならそれで日本一の「長寿市」、「ピンピンころり市」を目指そうと提案しています。そしてテレビの調理番組などで砂糖がよく使用されるがそれは身体に良くないこと、「エコの環」野菜は甘くておいしく調理に砂糖が不要なこと、野菜(カリウムが豊富)を多く食べれば自ずと減塩が進むので、「減糖」だけを主眼にした食育をまず進めようと提案しています。しかし砂糖に慣れきったメンバーからは、「我が家には砂糖がない」と説明しても信じてもらえず、どう納得させるか思案していたとき、新聞広告で「炭水化物が人類を滅ぼす」(夏井睦、光文社新書)という本が目に留まり、早速購入して読んでみました。
内容は医師である著者が「糖尿病」と診断され、かねて聞いていた「糖質制限食」に挑戦したところ、不治の病とされる糖尿病がすっかり治ってしまったことから、大胆な仮説を展開しながら糖質制限の勧めを説いたものです。私も「糖質ダイエット」が女性の間で話題になっていることは知っていましたが、私自身の考え方とずいぶん異なることから、いささか疑問視していたのですが、この本の説得力には引き込まれるものがあり、実際に挑戦してその効果を試してみました。
 まず「糖質制限食」の内容ですが、血糖値を上げるものはとにかく摂らないという考え方です。つまり炭水化物(でんぷん質の米、うどん、パン、そばなど)、砂糖、根菜類の野菜(糖質の多いイモ、にんじん、レンコンなど)、果物、菓子・ジュース、醸造酒(日本酒、ビールなど)は避け、代わりに肉・魚・卵、大豆製品(豆腐、納豆、枝豆など)、葉物野菜、乳製品、油類(マヨネーズ、バターなど)、揚げ物(フライ、から揚げなど)、蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ウォッカなど)はどれだけ摂っても構わないというものです。一方、私がこれまで摂ってきた食事は日本食のいわゆる「じみ飯」で、五分づきのご飯、味噌汁、野菜の煮物、納豆、魚(小魚)料理、海苔、漬け物、あるいはうどん・そばと云ったもので、肉とか卵、乳製品、脂っこいものは意識的に避けてきたことから、糖質制限食とはまさに対極の関係にあると云えます。
 実験は最初の2日ほどは夕食のご飯だけを抜くことから出発し、順次昼も夜も麺類やごはん、根菜類を抜いていきました。因みにそれまで朝食はリンゴ半個、サツマイモ半切れだったのですが、それもゆで卵1個とチーズに置き替えました。すると4~5日してから猛烈な腹痛に襲われ大量の下痢便をしたのですが、わが家の体重計(タニタ製)による測定では、体重;61kg→58.5kg、BMI;22→21、体脂肪率;10%→9%、内臓脂肪;8→5.5と明らかに身体に減量傾向が現れ始めました。ただ、若いころならともかく、あるいは独身の身なら飛び付いたかも知れませんが、毎食毎食、肉、揚げ物、卵などが続くと食事がなんかギラギラした感じで、ビールが飲みたい、ご飯、果物が食べたい、解放されたいという気分が高まり、それと便秘気味になったこと、何となく足の筋肉が重く感じられるようになったことから、実験は10日間で止めました。以後は従来の食事に戻しましたが、1週間ほどで見事に元の数値に戻りました。
 ところで私たちの身体の細胞には、エネルギー源として「ブドウ糖」と「脂肪酸」を使い分けるハイブリッドエンジンが備わっているそうです。食事を摂ったあとの3時間ほどは吸収したばかりのブドウ糖を使用します(解糖エンジン)が、それが不足してくるか急激な運動をするようなときは、肝臓や筋肉に貯蔵したグリコーゲン(ブドウ糖)を分解して使用し、それも少なくなるとブドウ糖の使用はそれしか利用できない脳などの中枢神経系のみに限定し、その他の組織(臓器・筋肉など)は貯蔵脂肪を分解して脂肪酸を用います(ミトコンドリアエンジン)。そしてさらにブドウ糖が不足するようになると、肝臓が脂肪酸のエネルギーを使ってタンパク質をブドウ糖に変える機能(糖新生)が働き、ブドウ糖を供給するようになるのでブドウ糖が欠乏することはないと云います。つまりエネルギー量的には脂肪酸を燃やす方(ミトコンドリアエンジン)が有利なのですが、変換速度的にはブドウ糖を燃やす方(解糖エンジン)が優れていて糖は消耗しやすいのですが、そのときは糖新生によってタンパク質からブドウ糖が作られるので、糖を補給するよりむしろ糖を断つ方が体内の脂肪が燃焼しやすくなり、ダイエットが進むという理屈です。一方、瞬発力が必要な若いときは解糖系のエネルギーを多く使うので、糖質を多く摂っても問題ないのですが、持久力が求められる中高年以降になると、エネルギー系は解糖系からミトコンドリア系へ移行するため、糖質の摂り過ぎは皮下脂肪を増加させ、メタボになりやすいと云うのです。この辺のことは草しか食べない牛に穀物を食べさせ、「霜降り肉」を作ろうとする最近の畜産技術を思い浮かべれば納得できます。この本を読んで知ったのですが、糖尿病になると「カロリー制限」による食事療法を行いますが、しかしご飯などの糖質制限をしないので血糖値が上昇し、根本的な治療につながらないと云います。確かに糖質制限食なら血糖値は全く上昇しないので、糖尿病患者には最適な食事療法なのかも知れません。この本を読んで改めて「腹八分」、「よく噛む」、「減糖」の大切なことを再認識した次第です。

 


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